インタビュイー:株式会社フューチャーブレーン 代表取締役 佐藤 剛様美容・ヘルスケア業界において、単なるサービスへの満足ではなく、「サービスを通した感動体験」を提供することを企業理念に掲げ、成長を遂げている企業がある。株式会社フューチャーブレーンは、代表取締役・佐藤剛氏の強い想いとビジョンのもと、顧客と社員双方の幸福を追求する独自の経営を展開している。・ただ満足してもらうのではなく、心を動かしたいフューチャーブレーンのサロンでは、技術面だけでなく、細やかな心配りや空間演出、言葉選びまで徹底して磨き上げる。「お客様の心を先読みし、期待を超える一歩先の提案ができてこそ、“感動サービス”になる」と佐藤氏は力を込める。佐藤氏:サービス業の価値は“感動”をどれだけ届けられるかにかかっていると私は思っています。お客様が『来てよかった』『また来たい』『誰かに教えたい』と思える体験をしていただく。梅田駅で1店舗目の開業から、その想いは常に大切にしてきました。創業19年で、これまで20万人を超えるお客様に対してサービスを提供してきました。日本で初めてのヘッドスパ専門店であった「ワヤンプリ」や、同じく日本で初めてのブライダルエステ専門店「ワヤンサラ」、ピラティス&コラーゲン岩盤ヨガ「ワヤンリゾートヨガ」など美容ヘルスケア業界を通じて、日本人の健康寿命を伸ばし生活の質(QOL)を高めていく、そしてその先に世界を変えるという気持ちは、私自身ずっと熱い気持ちを持ち続けているつもりです。・社員が幸せでなければ、感動は生まれない顧客に感動体験を味わっていただくには、サービス提供の際に最も近い存在である社員一人ひとりが幸せでなくてはならないと佐藤氏は話す。従業員数100名を超える規模になった今も、原点となっている社員教育の根本を聞いた。佐藤氏:我々が目指すのは、お客様への“感動サービス”を提供すること。大袈裟かもしれませんが、ヘッドスパやエステを受ける前後で、お客様の人生が変わるような体験を提供したいのです。美容業界って、離職率が高い業界と言われています。実際に、“キツイ・安い・将来が見えない”と言われることも多いのが実状です。でも、私はそれを変えたかったんです。社員がイキイキと、夢や希望を持って働ける職場をつくることこそ、業界の未来を変える第一歩になると信じています。ほとんどの方が、一日の中で「働いている時間」が一定の長さのお時間を充てていると思います。せっかく働くのであれば、少しでも自身の仕事への楽しみ、やりがい、成長を感じられる環境を用意できないか?というのが考え方の根本です。仕事が全てではないと思っていますが、せっかく働くなら少しでも職場環境を整えたい。すべてを今すぐに叶えることは難しいですが、会社としては少しでもそんな環境を用意したいと思っています。そのため、同社では社員一人ひとりと向き合う教育体制や評価制度を整備しました。幹部候補育成プログラムや、店舗経営に挑戦できる機会も提供しています。立場に関係なく、全員が経営の当事者意識を持てる環境が理想です。夢を語り、挑戦する人を私は全力で応援します。実際、未経験で入社した若手が数年で店舗マネージャーを任される例もあり、「人を育て、チームで夢を追う文化」が着実に根づいています。・起業の原点は「美容業界への問題意識」元々は、大手アパレルメーカーに入社し、ファッションブランドの企画責任者等を経て、多くの新ブランドを世に送りだしてきた。実家の家業であったファッション事業の失敗をきっかけに、27歳でアパレル業界から美容エステ業界に転身。当時、男性で女性向けのエステカウンセラーをしている人は今以上に少ない中で、佐藤氏が起業を志したのは、美容業界への強い課題感があったからだという。佐藤氏:新卒でアパレルメーカーに勤めました。若さもあり、とにかくがむしゃらに働いた記憶があります。元々、実家の家業もアパレル関係でした。それが、私が27歳の時に倒産してしまった。いわゆる、バブルがはじけての不況さなかの連鎖倒産でした。それが私の家族にとっては、大きな影響を与えました。そんな経験から、アパレルからは距離を置き、美容エステ業界へチャレンジしました。その時は、社員として入社し、やがてその大手エステ企業のナンバーツーのような立ち位置で経営に参画しました。美容エステ業界に身を置いたことで、外からでは分からないことを多く体験しました。私自身がその当時に体験した美容現場には、長時間労働や低賃金、精神的なプレッシャーがありました。“好き”だけでは続けられない。それでも、この仕事には“人を幸せにする素晴らしい力”がある。だからこそ、働く人がもっと輝ける業界に変えたかったんです。