インタビュイー:株式会社エコスマート 代表取締役 奈良 秀二様AIやデジタルによる効率化が加速する時代だからこそ、人の力にこそ価値がある」。そう語るのは、株式会社エコスマート代表取締役の奈良秀二氏。同社は保険プラットフォーム『エコスマほけん』を中核に、全国規模でコンタクトセンターを展開。効率や合理性だけに偏らず、顧客一人ひとりとの信頼関係を大切にしながら持続的な成長を続けてきた。金融商品の中でも生命保険は「どこで契約しても商品内容や保険料が変わらない」という特性を持つ。だからこそ「最後の決め手」となるのは、分かりやすい説明や安心感といった“人間力”に他ならない。奈良代表は、商品力や価格競争に依存しない独自のビジネスモデルを築き上げ、創業から15年にわたり顧客の信頼を積み重ねてきたのである。後編では、効率化の時代にあえて“人間力”を軸に掲げる理由や、保険業界の未来、さらには日本を元気にするための挑戦について深掘りしていく。「ビジネスのプロになろう」と起業を決断奈良代表の起業家としての歩みは、幼少期から自然と「経営」に触れる環境の中で始まった。夢を追いかけたサッカー人生、そして営業会社での厳しい修行を経て、最終的に「経営者になる」という道を選ぶことになる。奈良代表:元々、親が経営者として左官業を営んでいたので、その姿を見ていました。例えば、お客様への見積もりを作る際に、解体した木材を再利用すれば解体費を得ながら原価を抑えることができるなど、自然と利益の出し方を学んでいたんです。その一方で、小学校4年生から12年間はサッカーに打ち込み、プロ選手を目指していました。実際、仲間の中からも2〜3人がプロになっています。私も大学までサッカーを続けていましたが、あるきっかけでその夢をきっぱり諦めました。きっかけは、プロになった一人の仲間です。彼は抜群のセンスを持つ選手でしたが、プロ2年目で戦力外通告を受けてしまいました。当時、彼はまだ19歳か20歳。早くしてプロを引退した彼は、地元に戻って農業を始め、社会人クラブでアマチュアとしてサッカーを続けていました。どれだけ才能があっても、イチロー選手や大谷翔平選手のような一流のアスリートになれるのはほんの一握り。そんな彼の姿を見て『自分がもしプロになれたとしても…』と考え、人生を見つめ直したんです。そして“サッカーではなくビジネスの世界でプロになる”と決意しました。そこで選んだのが光通信。東証一部上場で、当時2万人を超える社員を抱える、超営業会社です。完全実力主義の環境に身を置けば、「自分も経営者の道が開ける」と思い、営業の世界に飛び込みました。会社には6年間在籍して、部長まで経験しました。起業を最初から意識していたわけではなく、「とにかく成り上がりたい」という強い思いが先にあり、その手段として経営者を目指したんです。父が経営者だったこと、サッカーでプロ選手になれなかったこと、成り上がりたいという思い。これら3つは起業を決める大きな要因でしたが、一番は“権限”が欲しかった。会社員時代、仲間が次々と辞めていく辛い経験や、本当はお客様にもっと良いものを提供できるのにできないもどかしさを抱えていました。ちょうどその頃、複数の商品を同時に扱えるようにする業法改正があり、“乗り合い代理店”が注目され始めていました。通信業界で例えるなら、ドコモショップはドコモだけですが、もし全キャリアを扱えたらお客様にとって最適なプランを選べるはずです。保険の世界でも、その自由が始まろうとしていた。『もっとお客様のためになる仕組みをつくりたい』『従業員が辞めずにすむ環境をつくりたい』―それを実現できるのは権限を持つ経営者しかいない。そう確信し、会社を辞めて起業を決断しました。効率性ばかりが求められる社会に逆行したい経営者としての視点から奈良代表が強調するのは、スキルや経験よりも「人としての素直さ・継続力・向上心」だ。AIやデジタルが進化する今だからこそ、人間力の重要性は一層高まっていると考えている。奈良代表:採用でまず一番に見るのは“素直さ”です。金融商品は正確性が求められるため、研修を素直に吸収できなければ成長できません。派手に遊びがちなタイプや軽い気持ちで取り組む人は継続力がない場合も多く、結果も出ずに辞めてしまうケースが多い。一方で、素直に努力できる人は必ず伸びます。保険は“人生で家に次いで2番目に高い買い物”と言われます。例えば、毎月1万円を30年支払えば360万円。そんな大きな商材だからこそ、お客様に選ばれる人材でなければならない。そのために人間力を磨く教育を徹底していて、社員にはよく『売上=ファンの数だよ』と伝えています。また、保険は80歳でも続けられる仕事です。実際に当社には67歳の営業担当者がいます。保険が好きでこの業界に入った人は、なかなか保険から離れられないんです。お客様の人生に深く寄り添い、人生そのものを語れる商材は他に多くありません。だからこそ、そうした理由で入社してくれる人もいるんです。今の時代は効率や“楽さ”を追い求める風潮がありますが、私はあえて逆行したい。当社でもAIやデジタルを使ってプロセスの効率化は図りますが、入口と出口は結局“人間力”だと思うんです。だからこそ、人間力を鍛えるという昔ながらの文化は絶対に手放さないようにしています。結局、結果を出している会社は、そういう文化を持っているところですから。ちなみに、若い世代の25%の人が「怒られたい」と思っているというアンケート結果があるそうです。成長の機会を求めて怒られたいとか、怒られることで愛情を感じるとか、そういった若い世代の人も多いのです。私たちは、この“成長意欲を持つ25%”を採用していきたいんです。当社では、学歴とか年齢は関係ありません。それよりも、心の強さや体の強さを重視します。私は、今の日本に必要なのはブレない“人間力”だと考えています。欧米諸国では社員が常に『いつ解雇されるかわからない』という危機感を持ち、新興国では学校に行けること自体に価値を感じて必死に勉強している。韓国では日本より長時間働く文化があり、それが成長の理由にもなっている。世界を見渡すと、日本は本当に弱々しい「株式会社日本」になってしまったと感じます。だからこそ、私はもっと日本を盛り上げたい。そのために、会社を通じて少しでも発信していきたいと思っています。保険業界をもっと良く、日本をもっと元気に20年以上にわたり保険業界に携わってきた奈良代表は、この業界をより良くし、ひいては日本全体を元気にしたいと語る。その目標は具体的な数値やビジョンとして明確に描かれている。奈良代表:この業界に携わって20年。まずは保険業界をもっと良くしたいというのが私の夢です。具体的には、当社から“年収1,000万円プレーヤー”を20%以上輩出したい。世の中の平均は5%程度といわれているので、その約4倍にあたります。「頑張れば必ず変われる」と証明したいんです。また、2030年までにIPOを目指しています。上場を達成するための基準のひとつが年間成長率130%。最低でも3年間はこれを達成する必要があります。まだまだマーケットシェアは1/1000にも届いていませんが、人を増やし、事業を拡大していくことで実現できると考えています。さらに採用活動の一環として、YouTubeを中心にSNSでの情報発信にも取り組んでいます。その中で今掲げているのが『年内にチャンネル登録者1万人』という目標です。現時点ではまだ500人ほどですが、達成できなければ引退する覚悟で取り組んでいます。この記事を読んでくださった方にも、ぜひ登録していただけると嬉しいですね。■ エコスマほけん 総合ページ https://es-g.jp/money/■ 各種資料請求サイト• オリックス生命:https://eco-hoken.jp/• なないろ生命:https://na.eco-hoken.jp/• ネオファースト生命:https://neofirst.eco-hoken.jp/• SOMPOひまわり生命:https://himawari.eco-hoken.jp/• 東京海上日動あんしん生命:https://anshin.eco-hoken.jp/• チューリッヒ生命:https://zurich.eco-hoken.jp/インタビュー後記奈良代表の言葉からにじみ出るのは、“効率”ではなく“人間力”を軸に経営を貫くという揺るぎない信念だ。経営者の父の背中を見て育った少年時代、プロサッカー選手を夢見た青春時代、営業会社での厳しい修行、そして独立。すべての経験が「人と真剣に向き合うこと」の大切さへとつながっている。「売上=ファン」。シンプルだが重みのあるこの言葉は、組織づくりにも顧客との関係づくりにも一貫して流れる価値観だ。デジタル投資を積極的に進めつつも、昔ながらの文化や価値観を大切にする姿勢は、一見すると時代に逆行しているようで、むしろこれからの社会にこそ求められる在り方ではないだろうか。保険業界を変革し、日本全体を元気にしたい―。奈良代表の挑戦は、業界の枠を超えて、多くの人に勇気と気づきを与えている。