AIの領域で革新的な基盤技術を提供する「株式会社EmbodyMe」。2016年に設立された同社は、リアルタイム映像生成AI技術により、リモート会議やライブ配信、映像制作などの分野で画期的な製品を生み出している。代表取締役の吉田一星氏のリーダーシップのもと、同社のパワフルな技術を体感できるxpressionシリーズは世界中で高い評価を受けている。吉田氏は、生成AIやリモートワークが普及する中で、自社の技術を最大限に活用し、ユーザーのニーズに応える製品を次々と開発してきた。xpression camera、xpression avatar、xpression chatといったシリーズ製品は、競合他社の数百倍高速な映像生成AI技術により、インタラクティブな映像体験を提供している。今回は、吉田一星氏にEmbodyMeが抱える独自技術や、事業開発の背景について詳しく伺った。EmbodyMeが持つリアルタイム映像生成AI技術リアルタイム映像生成AI技術とxpressionシリーズの誕生「リモート会議が普及する中で、持っていた技術が全て活かせました」EmbodyMeの技術について詳しく教えてください。弊社は、「3D Dense Face Tracking」技術で顔の詳細な形状と表情を認識し、その結果をもとに「Neural Rendering」技術で映像生成を行っています。従来の顔認識技術は、70か所程度で2Dポイントを推定していたのに対し、弊社技術は5万か所以上の3Dポイントを推定することで、より詳細な顔の形状や表情が認識できます。そうした3Dでの認識結果をもとに「Neural Rendering」技術によって0.01秒で映像生成を行い、リアルタイムでの動作を実現しています。xpressionシリーズの誕生独自の基盤技術がEmbodyMeのプロダクトを支えている様子がわかりました。そして満をじしてリリースされたのがxpressionシリーズです。プロダクトの企画はどのようにされているのでしょうか?一番最初にリリースしたのがxpression cameraでした。コロナ禍でーこれも誰も想像できなかったですがー、外に出られなくなって、会社にも行けなくなって、社会変化としてこれまで使われていなかったビデオチャットを、絶対に使わないといけない、となった中で、そこですごいビジネスチャンスが生まれるだろうな、と。そして今持っている技術がそのまま全部活かせるな、という考えもありました。AIの映像生成、リアルタイム性、しかも写真1枚から生成できる、ということで、ビデオチャットと相性がいい。ライブ配信も、コロナに限らずニーズがあったので、それをきっかけにxpression cameraをリリースしました。それより前に同じ技術を使い、無料スマホアプリとしてリリースしていたのがXpressionです。技術のショーケースとしての目的が大きかったのですが、ユーザー数自体は当時からかなり多くてですね。xpression avatarは2023年の12月末に、Xpressionをリニューアルする形でリリースしました。弊社のリアルタイム映像生成AI技術と、画像生成AI技術を組み合わせて、写真をもとに様々なアバターを生成し、それを顔の表情や頭の動きに応じてリアルタイムに映像化できるのがxpression avatarになります。xpression chatは去年の夏頃に出したのですが、これもChatGPTがきっかけになっていて。アイドルや愛犬、亡くなった家族など、写真一枚を用意するだけで、その中の人と「会話ができる」というコンセプトです。ChatGPTのようなテキスト生成AIだけだとテキストチャットしか実現できないですが、弊社のリアルタイム映像生成AI技術と組み合わせると、外見や音声も一緒に、本当にその人と話している感覚で話すことができます。これもチャンスだと思ってプロダクトを出しました。海外での大ヒットありがとうございます。そして各アプリが海外で爆発的なヒットとなっています。その要因はなんだとお考えになっていますか?競合アプリがいないというのが大きいかなと思いますね。さらに、かつ言語に依存していない。日本語に限ったプロダクトではないところも広がった要因かなと思いますね。また、xpression cameraについていえば、バーチャルカメラという技術を使っていて、これがwebカメラと同じものをソフトウェアで実現するという仕組みで。つまりwebカメラが選択できるアプリであればなんでもxpression cameraが使えるということなんです。Microsoft Teams、Google Meets、YouTube、ブラウザなどなんでも使える、というのがあって、他のプラットフォームに気軽に入り込めるというのが大きかったですね。確かに、それはユーザーの利用場面も広がりますね。そして、2024年4月に株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(以下、ファンディーノ)」を通じて、国内の株式投資型クラウドファンディングにおける史上最高額となる9,999万円の資金調達を行いました。申込み受付の開始後、約2分で目標募集額を達成。そして、約5時間半で約450名の個人投資家から申込を受け付け、上限金額に到達しました。達成するだろうという確信はあられたんでしょうか?それとも想像したよりも早く達成した形ですか?いや、完全に想像は超えていましたね。全く想像はできなかったですね。前編では、EmbodyMeが抱える独自技術や、事業開発の背景について話を伺った。後編では、多国籍なチームを率いるマネジメントの秘訣、そしてAI時代の未来展望について詳しく伺う。