インタビュイー:株式会社uloqo 代表取締役 関川 懸介様「採用市場の複合危機」が進行している現代日本。生産年齢人口の減少、賃上げ圧力、生成AIの進化。企業を取り巻く環境は大きく変化し、採用は単なるオペレーションではなく、経営戦略そのものとして再定義されつつある。2016年に創業された株式会社uloqoは、採用課題を「経営・事業・人事の分断」という構造に見出し、上流から再設計する伴走型の支援を通じて、この問題に向き合っている。単なる代行ではなく、採用を事業成長の一部として捉え直すそのアプローチは、高い成果へとつながっている。同社を率いるのは、代表取締役の関川懸介氏である。創業の背景には、人材業界の構造に対する問題意識と自身の適性への違和感という二つの起点があった。創業、資本提携、そして再独立。複数の転機を経てなお、関川代表が貫いているのは、「上流から採用を変える」という一貫した思想である。後編では、株式会社uloqo 代表取締役 関川懸介氏に、創業初期に下した資本提携の決断や再独立、独自の経営哲学について、お話を伺っていく。事業成長の裏にあった葛藤。創業初期に下した資本提携の決断事業が成長するほど、人材育成やマネジメントの難しさも増していく。創業初期、こうした課題に直面した関川代表は、自らの適性と向き合いながら、一度資本提携という決断を下すことになる。関川代表:実際に事業に取り組む中で、「これほど人を扱う仕事なのか」と強く認識するようになりました。当社の事業モデルは、「受注」と「採用・教育」が両輪で機能する構造でなければなりません。案件を受注するだけではなく、必要な人材を採用し、さらに一定の水準まで育成していかなければ、安定した価値提供は実現できません。つまり、事業の成長そのものが、人材の質と育成の精度に大きく依存するモデルでした。当時は、受注が増えるほどに採用・育成の負荷も同時に高まっていく状態で、事業の成長と組織運営の難しさが常に隣り合わせにありました。その中で私は、自分自身が人材育成やマネジメントに十分に適性を持っているとは言い切れないと感じるようになっていきました。個々のメンバーに向き合い、継続的に成長をサポートしていくことは、事業を進める上で不可欠な要素である一方、自分にとっては大きな負荷でもあったのです。当時の組織はまだ10名に満たない規模でしたが、案件はどんどん増えていきました。成長の兆しは確実に見えていたものの、それと同時にマネジメントに対する負担が急速に大きくなっていく感覚がありました。そのタイミングで、外部資本との提携を通じて事業をさらに伸ばしていく機会をいただきました。相手先は、人材の採用と育成を前提に事業を拡大しているフェーズにあり、自分たちの事業とも親和性があり、教育面でもシナジーが見込めると考えました。そうした背景から、事業を継続しながらもマネジメントの負担を軽減できると考え、資本提携を決断しました。資本提携後、私は引き続き社長として事業に関わり続けましたが、参画先も急成長の途上にあり、組織としてはまだ発展途上の側面がありました。そのため、当初感じていたマネジメントの難しさが大きく解消されたわけではありませんでしたが、その環境の中で一つ明確にしていたことがあります。それは、「この意思決定が良いものであったと評価される結果を出す」ということです。どのような環境であっても、自分が担うべき役割を果たす。その一点に集中し、「選択した以上はやり切る」という意識で、日々の事業に向き合っていました。再び独立へ。関川代表が選んだ再独立という決断資本提携後も経営に関わり続けた関川代表は、2年後に再独立という選択を取る。その背景には、外部環境の変化と自身の意思があった。関川代表:私は資本提携後も社長として事業を続けていましたが、2年後に再独立を実行しました。商号も「uloqo」に変更し、再び独立資本での経営体制へと舵を切ることになります。再独立の理由は、参画先の経営体制の経営体制と、自身が今後どの立場で事業に向き合うべきかを見直したことがありました。資本提携時には信頼関係のもとで意思決定を進めた経緯がありましたが、体制や期待される役割が変化する中で、この先も同じ前提で関わり続けるべきかを改めて考えるようになりました。そのときに、「この会社に残って、この先の経営に関わり続けたいのか」ということを、改めて自分に問い直しました。一定の成果は出せていたと思いますし、会社に対しても期待以上の価値は返せているという実感もありました。一方で、その体制の中で引き続きコミットしていきたいかというと、必ずしもそうではない、というのが正直な感覚でした。環境が変わる中で自分がどう関わるべきかを冷静に見直したときに、このまま残ることが最適な選択なのかどうか、迷いがあったのも事実です。それであれば、自分の意思で次の選択をするべきではないかと考えました。外部環境や前提が変わる中で、自分の立ち位置を曖昧にしたまま関わり続けるのではなく、改めて責任を持って事業に向き合う。その選択として、再独立という決断に至り、現在につながっています。事業の拡張と、変わらない軸。uloqoの展望と経営哲学最後に、株式会社uloqoの今後の展望と関川代表の経営哲学について、お話を伺った。関川代表:現在は、3年間の明確な経営計画を設定し、その達成に向けて事業を推進しています。あわせて、総合型の人材会社への拡張を見据え、同業他社のM&Aも進めていく方針です。隣接領域を取り込みながら、基幹事業である採用コンサルティングとのシナジーを高めていきたいと考えています。ただし、軸はぶらしません。あくまで「採用をどう設計するか」という上流に関与する立場であり続けることを重視しています。どの手段をどう組み合わせるかを設計できる立場にいるからこそ、グループとして機能を持つことに意味があり、そこに既存の総合人材会社との違いがあると考えています。関川代表:また、個人的な話になりますが、私はいわゆる「仕事が好きで仕方がない」というタイプではありません。それでも続けてこられたのは、事業を進める中で必ず現れる課題に向き合い、それを一つずつ乗り越えていくこと自体に意味を感じているからだと思います。壁を越える経験が積み重なることで、結果として事業も、自分自身も拡張されていく。その感覚が、今のモチベーションになっています。経営者にはこうあるべきだという固定観念も多くありますが、それに必ずしも当てはまる必要はないと思っています。向き不向きに関わらず、自分で決めた目標にコミットすること。利益を生み、雇用を創出し、その価値を社員に還元していくこと。それが最も重要なことではないでしょうか。私は、カリスマ的なリーダーシップや強い求心力で組織を引っ張るタイプではありません。そのため、そうしたスタイルを前提とするとギャップが生まれてしまうと考えています。だからこそ、採用の段階から自分のスタンスは率直に伝えています。自分がどのような経営者で、どこに強みや弱さがあるのかを隠さず共有したうえで、それでも一緒にやりたいと思ってくれる人と組織をつくる方が健全だと考えています。そして、苦手な領域は組織で補うことも重要だと思っています。マネジメントや育成に強みを持つ人材に加わってもらい、自分は意思決定や事業設計に集中する。役割を分けながら、チームとして機能させていくことを意識しています。どのようなタイプであっても、やり続けることさえできれば道は開ける。そのことを、自分自身の経験を通じて証明していきたいと考えています。インタビュー後記今回は、株式会社uloqo 代表取締役 関川懸介様にお話を伺いました。採用を単なる業務ではなく「構造」として捉え直し、経営・事業・人事をつなぎ直す視点に強い印象を受けました。また、創業や資本提携、再独立といった転機における意思決定の背景からは、「環境ではなく自分の意思で選ぶ」という経営の本質を学ばせていただきました。向き不向きに関わらず、目標にコミットし続ける姿勢こそが道を切り拓くというメッセージが、非常に心に残る取材となりました。関川懸介/2016年4月、株式会社uloqoを設立。2022年4月、同社を株式会社プロジェクトカンパニーへ売却。2024年6月、MBOを経てプロジェクトカンパニーグループより独立。日系・外資大手企業を中心とした採用コンサルティングサービスの提供に10年以上従事し、これまでの支援社数は500社を超える。採用戦略設計、エージェントマネジメント、採用データ分析などを専門とする。【会社概要】会社名株式会社uloqo設立2016年4月代表取締役関川懸介事業内容採用代行採用コンサルティング面接代行スカウト代行労務代行組織開発コンサルティング評価制度設計支援人事ERP導入支援所在地東京都港区南青山5-10-2 第2九曜ビル202AサイトURLhttps://uloqo.net/